こんにちは。
村長です。
●信用調査会社を使って調査してからのお取引は、こちらから願い下げ(たい)
会社を経営していると、時折、信用調査会社というところから、企業調査依頼というものがやってきます。
これは、
「我がA社は、株式会社みんなの村と新規で取引を始めたいんだけど、株式会社みんなの村が信用おける会社かどうかわからないんだよねー。調べなきゃ。」
という場合などに、A社自らが弊社について調査するのではなく、A社が信用調査会社に依頼して、その依頼された信用調査会社が、弊社について根掘り葉掘り調べる、という仕組みになっています。
なので、A社に頼まれた信用調査会社は、
・年商はどれくらいあるのか?
・市場のトレンドはどうなのか?
・内部留保がどれくらいあるのか?
という会社の資金面のことや
・経営者はまともなヤツか?アホとちゃうか?
・社員の技術力は確かか?
という弊社のスタッフの能力みたいなものを調べに来ます。
基本的に守秘義務があるので、調査の依頼元A社の素性は明かされません。どこのどなた様が、弊社のことを知りたがっているかは秘密にされたままです。
その状態で、調査される弊社側は、数年分の決算書を出したり、製造現場を見てもらったり、経営者の学歴や職歴をお答えしたりで、言わばマッパ状態です。晒す相手先がどこのどなたさんかわからないのに、自分だけが丸裸になる。
うーん、ぶっちゃけですね、こちらの素性だけ調べて、そちらの素性を明かさないっていうのは、私の性には合わんです。
そもそもA社が信用調査会社に依頼している時点で、私たちって信用されてないんだなぁ、と思うわけです。そして一方で私は、自分たちの身を隠してこちらの情報だけ抜いていくというA社のその姿勢について、信用できんわけです。
つまり、お互い信用していない(笑)
というわけで、非常に申し訳ないんですけど、私たちのことを信用せずに身を隠して情報だけ抜いていくような方とのお付き合いは、こちらから願い下げでーす。
●スケベ心で、目先の利益に目が眩んで、つい・・・
と、かっこつけたことを言いながら、実は弊社は、私が代表をしてからの4年間で数回、そのような信用調査会社からの調査依頼を受けて、願い下げたいはずのその調査に応じてきていたのです。。
なぜか?
それは、経営者である私にスケベ心が働いたから(笑)
信用調査会社の担当者から
「御社と取引を検討している企業様がございまして、調査にご協力いただけますか?」
「取引が成立すると、売上も上がりますよ。」
なんてことを言われて、
「え?売上が上がるかも?はっはーん、悪い話じゃないね。」
と、目先の利益に目が眩んで、相手との信頼関係を築かないまま、あわよくば取引につながったらいいな♡ なんていうスケベ心が働いていたのです!そう、わたしはすけべえです!
●仮想マネーが眩しくて相手が見えなくなる
そんなスケベな私は、特に経営者になってから、よく騙されました。
以前の私は、きちんと利益を出して会社を存続させ、お客様や従業員に末長く喜んでもらおう、という経営観があったものですから、物事を論理的に考え、利益が出せそうな場合はYES、利益が見込めなさそうな場合はNOという判断を下してきました。つまり、損得勘定で経営判断をしてきたわけです。
それってすごく冷静沈着な経営に思えるかもしれませんが、失敗でした。ええ、大失敗。
利益を出せるか出せないか、という判断はつまり、お金が手に入るか入らないかの判断です。で、こういう時って、相手もお金を第一の目的としていることが非常に多いんですよね。まぁそういう意味でいうと相思相愛w
卸先の販売店、広告代理店、コンサルタントなど、そういう会社はちょくちょくありました。
「このテレビ番組で紹介したら売れますよ!」
「私のコンサルを受けたらみんな成功しています!」
なんて豪語して、商売がほどほどな時はいいけれども、ひとたび雲行きが怪しくなってくると、そっこートンズラしはります。そりゃそうですよね、相手もお金が目的なんだもん。内的要因・外的要因に関わらず、関係性が悪化したなら、さっさとトンズラした方が金銭的に良いんですもんね。
その割に会社のキャッチコピーに「お客様第一!」みたいなことを掲げておられると、むず痒い。潔く「お金が第一!」とか言うてくれてたらわかりやすいんやけど。中には訴えた方がええなかな?って思えるほどのことをされる方もいらっしゃって、なんだか悲しい世の中だな、とよく思ったもんです。
結局、損得勘定で判断した当初は合理的だ、と思っていたけど、蓋を開けてみれば損をしていることが多々あったわけです。「損得で考える人は、結局損をする」なんていう言葉を聞いたこともありますけど、確かにそうでした(笑)
で、そういう場合って騙した相手が悪いという見方もできるんですが、結局でもね、そうやって騙されてる時って、たいていこちらが何かしらのスケベ心を出してる場合が多いんですよね。アハ。「これは得するぞー」って、もしかしたら転がり込んでくる仮想マネーが眩しくて、逆光で相手の顔が見えないまま、その儲け話に乗っかって逃げられる、みたいな。
●騙されないために、社会的意義を共有しておきたい
そうやって騙され、凹んでいくことを数多経験し、これ以上騙されないためにも、仕事で組む相手をきちんと選ばせてもらおうと考えるようになりました。そんな私が今考えている、一緒に組みたいと思う人物像は
「自分の生業に社会的意義を持ち、お金はその産物と捉えられる人」
です。
その対極が、「とにかくお金儲けのためだけに仕事をしている人」ですかね。
私、日頃から、お金なんていうのは結果にすぎないと考えています。人様のお役に立てればお金は入ってくるし、お役に立てなければお金は入ってこない。だからどれだけ人様のお役に立てるか、ってことを考える方が重要やと思っています。
あとは何の分野で役に立とうとしてるのか、ってことを表明すればいいだけだと思っていて、そこが明確で腹落ちしている人が、「自分の生業に社会的意義を持ち、お金はその産物と捉えられる人」だと考えています。
こう書いちゃうと小難しそうだけど、まぁ職種はなんだっていいんだと思います。
・ファイナンシャルプランナーで個人の人生設計のお手伝いすることに意義を感じている人。
・学習塾で子供たちに教育し、有望な人材に育て上げることに意義を感じている人。
・飲食店で美味しい料理を作って、お客さんに喜んで食べてもらうことに意義を感じている人。
なんせ、自分の生業に社会的な意義を持っているかどうかです。
なぜこのような人と組みたいかと言うと、その社会的意義のところで共感し合えたら、お互い協力的になれて、多少のトラブルなんぞ乗り越えることができるんだろうなぁ、と思うからです。
やはりビジネスでもなんでもそうですけど、調子が良い時はなんだっていいんです。お互い気前よく取引をしてる。だけど、ひとたび何かトラブルが起きて売上が下がるとか、欠品することになった時に、人間って本性を現すもんなんですよね。
そんな時に、互いの社会的意義を共有できずに自社の利益最優先になっていたら、互いに攻め合うことに発展しがち。目的がお金なんでね。そのお金がショートするとなると、契約解除だー!裁判だー!あーだーこーだー!で、結局破談に向かう。
事業なんてね、ずーっと順風満帆で続くようなことはないと考えてます。だから、一緒に手を組んで事業を進めていくなら、トラブルが起きた時こそ、一緒になって挽回していく姿勢で居れる関係でいたいのです。
「この事業を推進するには、お前の力が必要なんや!」
「困った時は、お互い様や!」
っていう気概で、協力し合える仲間と仕事をしていきたい。綺麗事かもしれんけど、それが私のポリシーなんで。
●社会的意義を共有できている(と思っている)小関さん
弊社は木酢液の製造販売の他に、実は「なんたん暖炉」という薪ストーブの販売代理店もしています。「なんたん暖炉」は京都府南丹市にお住まいの小関さんが開発されたストーブで、杉やヒノキなどの針葉樹や竹までも燃やすことができ、燃費は通常のストーブの3倍という、中山間地域にはもってこいの代物です。さらにオーブン機能もあるから調理もでき、さらにアタッチメントを交換すれば温度差発電までできてしまうという、防災の観点からも重宝されるべきストーブです。
で、このストーブを開発された小関さんは、元々東京でSEをされていたらしいのですが、どんどんアップデートされ移り変わってゆくソフトを開発するのではなく、ひとたび作り上げると何百年ともつハードを作りたいと一念発起。京都へ移住し、釘を1本も使わずに建立できる伝統軸組工法の大工となりました。(思い立って実際になれるところがすごい)
ただ、日本建築は夏は涼しく、冬は寒い。まぁつまりいつもひんやりしているわけなので、そのデメリットを補うべく、山の木を燃やして暖をとることができる「なんたん暖炉」を開発されたとのこと。
その小関さん、よく「日本はエネルギー大国なんだ」ということを口にされます。日本の国土面積に占める森林の割合は67%と、先進国でもトップレベル。だからこの森林資源を活用すれば、日本はもっと豊かな暮らしができるはずだと。
実際に我が家や、みんなの家カフェにこの「なんたん暖炉」を設置しましたが、冬場の暖房はほぼこの暖炉だけで賄うことができます。一冬の暖房代が10万円ほどかかる地域ですから、仮に丹波市全戸(25,000戸)で活用されると、10万円×2.5万戸=25億円 という驚異的な経済効果を生み出します。その分、わざわざ中東から原油を買ってきて燃やしてタービン回して発電する必要がないんですからね。
原油由来の熱エネルギーを使わずに済むということは、丹波市内に資金がプールすることに繋がります。地方から中央にどんどんお金が吸い上げられてきたこれまでの時代の流れを、その一端でも変えることができる。
地方創生だなんだと、最近は地方が騒がれていますが、基本的にはヒト・モノ・カネの流れを根本的に変えていかないと、地方は衰退していくばかりです。その本質的なところに踏み込んでいくという社会的意義を、小関さんは持っておられる。
だから、弊社としてもそんな小関さんを応援したいし、小関さんもまた、弊社を応援してくださっています。それは、社会的意義を共有できているからこそ。そこのゴールを共有できていると、仮に手段が異なっても問題はない。ちょっとやそっとのことでモメることもない関係だろうな、と高を括ってくおります。
●終わりに
「信用調査」って、なんか違和感のある日本語やなぁ、と思うわけですが、信用とか信頼なんてものは双方で築き上げていけば良いものであって、第三者に勝手に判断される筋合いはないわい、って思うわけです。しかもその第三者が正確に情報を伝えることができるのかも疑問。定量的なものは数字で伝えられるだろうけど、定性的なものを正確に伝えるのって、かなり難しいよ。そもそも写真のような読解不可能な日本語を書いてる時点で、かなり疑わしい。A社はそんな二次情報を受け取って、どう判断するつもりなんだろう?
(誤解のないように書いておくと、弊社は帝国データンバンクTDBさんにも調査を受けたんですが、この写真はTDBさんが発行されたものではないです。TDBさんは、とてもスマートで親切で感じの良い営業さんでした)
ちなみに小関さんと初めて出会ったのは、2012年に小関さんが運営されているNPO法人主催の鹿肉解体ワークショップ。鹿肉の解体よりこの人の話の方が面白いや、と思って、途中からは鹿肉そっちのけで、ずっと小関さんの話を聞いてたっけな。その時は一緒に仕事しよう、なんて話にはなってなかったですけど、それ以来、小関さんと芋焼酎を飲みながら互いの目指す道を語り合っているうちに、信頼関係が築けて今では一緒に仕事をさせてもらうまでになりました。
そんなのでいいじゃんね。
だから、もし弊社とお取引を検討されておられるなら、まずは直接私に会いに来てくださいよ。この会社を経営している私と出会って、一緒に社会的意義について語ってメシ食って酒飲んで一晩泊まっていってください。私やこの会社のことなんて最初から丸裸ですし、寝食を共にしたら、信用だって強くなると思いますよー。